Q
家族が交通事故で脳損傷を受け,命は取り留めましたが,退院後,どうも話が通じず,非常識な行動をとるようになった気がします。主治医の先生によれば,特に異常があるとはいえないとのことなのですが,このような場合には後遺障害認定は受けられないのでしょうか。
A
自賠責保険では,部門別の審査会が設置されています。Qのような場合には,「脳挫傷による高次脳機能障害」が疑われますので,慎重な情報収集と専門家による判定が行われます。損保料率機構から要請される資料や異常の存在を裏付ける医学的報告書や診断書,検査結果,被害者の日常生活の詳細などの資料を提出して,適切な障害認定を受けられるようにする必要があります。
頭部外傷により意識障害を負った人が,治療の結果意識を回復したものの,意識回復後に認知障害(記憶障害,集中力障害,遂行機能障害,判断力低下,病識欠落等)と人格変性(感情易変,不機嫌,攻撃性,暴言,暴力,幼稚性,多弁,自発性低下,病的嫉妬,被害妄想等)を生じ,社会復帰が困難となる後遺障害を高次脳機能障害といいます。
かつて,事故で脳外傷を受けた被害者に深刻な障害状態が残っているのに見落とされているものがあるとされていたことから,平成13年1月から高次脳機能障害審査会制度が設けられました。
高次脳機能障害審査会では,詳細な資料(画像検査記録や精神症状の有無程度についての回答(診察した医師),異常な精神症状が出ていないかなどの日常生活の状態の質問表(親族))の収集をしたうえで,慎重な判定手続きが行われます。
㈶日弁連交通事故相談センターには,高次脳機能障害面接相談があります。資料収集の方針や認定を受けるうえでのアドバイスを受けられるようです。
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