後遺障害等級表と損害賠償額


後遺障害とは


自賠責保険では「後遺障害」を「傷害が治ったときに身体に存する障害をいう」と定義しています。
 
また,労災補償の障害認定基準では,障害補償の対象となる障害について,次の4要件を定めています。
 
負傷又は疾病(以下「傷病」という。)が治ったときに残存するもので当該傷病と相当因果関係があること
将来においても回復が困難と見込まれる精神的または身体的な毀損状態であること
その存在が医学的に認められること
労働能力の喪失を伴うものであること
031.jpgのサムネール画像

 
ただし,このうち「永久残存性」については例外的扱いもあります。
つまり,労災補償の障害認定基準では,身体機能に影響するような身体の傷害は存在せずに精神機能の不調により労働・日常生活上の障害が発生する,いわゆる「非器質性精神障害」について,治療による回復可能性があることを正面から肯定しています。
 
また,民事損害賠償の実務では,「むち打ち症」など軽度神経障害の事例において,自賠責保険手続で「後遺障害」と認定されても,永久残存性を否定し,労働能力喪失期間を一定期間に限定するのが一般的な方法となっています。
 

後遺障害等級表とは

「後遺障害」の程度について,労災補償や自賠責保険は,等級表で最重度の1級から最軽度の14級まで14段階の格付けを行っています。
 
自賠責保険の後遺障害認定基準は,原則として労災補償の障害認定基準に準拠しています。
そのため,両者の「基準」は原則として同じです(ただし,同じ事故でも労災と自賠責で違う等級が認定されることはよくあります。)。
 
なお,自賠責後遺障害等級表は,労災補償と異なり,別表第1と別表第2に分離されています。
これは,介護を要する障害について,介護を要しない同一等級の障害より支払限度額(保険金額)を増額するため,いわば便宜的に等級表を分離したものです。障害の程度評価が異なっている訳ではありません。
労災補償では,第1級,第2級の認定を受けた者のうち,一定の要件を満たした場合は,障害(補償)年金が支払われる仕組みになっています。


 

後遺障害等級表と労働能力喪失率表(平成22年6月10日以降発生した事故に適用)

 
別表第1
 
等級 介護を要する後遺障害 保険金額
(労働能力喪失率)
第1級 1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの
2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,常に介護を要するもの
4,000万円
(100%)
第2級
1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの
2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,随時介護を要するもの
3,000万円
(100%)

 
別表第2
第1級 第2級 第3級 第4級 第5級 第6級 第7級 第8級 第9級 第10級 第11級 第12級 第13級 第14級
※等級の数字をクリックすると、該当の詳細を確認できます。

等級 後遺障害
保険金額
(労働能力喪失率)
第1級
1. 両眼が失明したもの
2. 咀嚼(そしゃく=かみくだく)及び言語の機能を廃したもの
3. 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
4. 両上肢の用を全廃したもの
5. 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
6. 両下肢の用を全廃したもの
3,000万円
(100%)
 
第2級
1. 1眼が失明し,他眼の視力が0.02以下になったもの
※コンタクトレンズで矯正する場合も含まれます。
2. 両眼の視力が0.02以下になったもの
3. 両上肢を手関節以上で失ったもの
4. 両下肢を足関節以上で失ったもの
2,590万円
(100%)
第3級
1. 1眼が失明し,他眼の視力が0.06以下になったもの
2. 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの
4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの
5. 両手の手指の全部を失ったもの
2,219万円
(100%)
第4級
1. 両眼の視力が0.06以下になったもの
2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
3. 両耳の聴力を全く失ったもの
4. 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
5. 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
7. 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
1,889万円
(92%)
第5級
1. 1眼が失明し,他眼の視力が0.1以下になったもの
2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
4. 1上肢を手関節以上で失ったもの
5. 1下肢を足関節以上で失ったもの
6. 1上肢の用を全廃したもの
7. 1下肢の用を全廃したもの
8. 両足の足指の全部を失ったもの
1,574万円
(79%)
第6級
1. 両眼の視力が0.1以下になったもの
2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
4. 1耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6. 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
7. 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
8. 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの
1,296万円
(67%)
第7級
1. 1眼が失明し,他眼の視力が0.6以下になったもの
2. 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3. 1耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6. 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
7. 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
8. 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
9. 1上肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの
10. 1下肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの
11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
12. 外貌に著しい醜状を残すもの
13. 両側の睾丸を失ったもの
1,051万円
(56%)
第8級
1. 1眼が失明し,又は1眼の視力が0.02以下になったもの
2. 脊柱に運動障害を残すもの
3. 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
4. 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
5. 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
6. 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
7. 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
8. 1上肢に偽関節を残すもの
9. 1下肢に偽関節を残すもの
10. 1足の足指の全部を失ったもの
819万円
(45%)
第9級
1. 両眼の視力が0.6以下になったもの
2. 1眼の視力が0.06以下になったもの
3. 両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの
4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5. 鼻を欠損し,その機能に著しい障害を残すもの
6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
8. 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり,他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
9. 1耳の聴力を全く失ったもの
10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12. 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの
13. 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
14. 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
15. 1足の足指の全部の用を廃したもの
16. 外貌に相当程度の醜状を残すもの
17. 生殖器に著しい障害を残すもの
616万円
(35%)
第10級
1. 1眼の視力が0.1以下になったもの
2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
4. 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
6. 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
7. 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
8. 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
9. 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
10. 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
11. 1下肢の3大関節の1関節の機能に著しい障害を残すもの
461万円
(27%)
第11級
1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3. 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4. 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
6. 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
7. 脊柱に変形を残すもの
8. 1手のひとさし指,なか指又はくすり指を失ったもの
9. 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し,労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
331万円
(20%)
第12級
1. 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2. 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3. 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4. 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5. 鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6. 1上肢の三大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
7. 1下肢の三大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
8. 長管骨に変形を残すもの
9. 1手のこ指を失ったもの
10. 1手のひとさし指,なか指又はくすり指の用を廃したもの
11. 1足の第2の足指を失ったもの,第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
12. 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
13. 局部に頑固な神経症状を残すもの
14. 外貌に醜状を残すもの
224万円
(14%)
第13級
1. 1眼の視力が0.6以下になったもの
2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3. 1眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの
4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
5. 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
6. 1手のこ指の用を廃したもの
7. 1手のおや指の指骨の一部を失ったもの
8. 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
9. 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
10. 1足の第2の足指の用を廃したもの,第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
11. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
139万円
(9%)
第14級
1. 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2. 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3. 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6. 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
7. 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
8. 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
9. 局部に神経症状を残すもの
75万円
(5%)

後遺症診断書についてはこちらから
後遺障害の主体と求め方についてはこちらから
後遺障害の等級と損害賠償額についてはこちらから
後遺障害に関する主な賠償金項目についてはこちらから




死亡事故について、もっと詳しく知りたい方は…

死亡事故の損害賠償 死亡事故の逸失利益





交通事故の初回相談料・着手金無料 0835-28-7228
 

事故発生から解決までの流れ   弁護士紹介   事務所紹介
ご相談の流れ   弁護士費用   解決事例
交通事故コラム        

 

その他専門サイト・ブログはこちらから

事務所サイトバナー2.pngrrikonbanner.jpgsaimuseiribannrt.jpgblogbanner.jpg




いたむら法律事務所

事務所住所
山口県防府市寿町2-11 吉幸IIビル501

法律相談のご予約 0835-28-7228

当サイトはリンクフリーです。リンクはご自由にお貼りください

Copyright (C) いたむら法律事務所 All Rights Reserved.